🧪 今日の解説テーマ:肩書きは“情報”ではなく“不安の免責装置”として使われることがある
「京大卒の方が中途で入ります」
「この件は、労務士に確認を取ってます」
——内容の前に、必ず添えられる“それ”。
観測日記#12の上司Cは、話を始めるとき、ほぼ例外なく 肩書き・資格・出自 を置く。
この話し方は、単なる癖ではない。
そこには 判断不安・責任回避・承認への渇望 が絡んでいる。
💬 肩書きを出す人は「偉く見せたい人」なのか?
まず誤解を解く。
肩書きを使う人 = 虚栄心が強い
とは限らない。
むしろ多くの場合、逆だ。

肩書きが多い人ほど、自分の言葉に自信がないことがあります。

自分の声じゃなくて“借り物の声”を使ってる感じだね。
肩書きは 自分の発言に重みを乗せるための補助輪 として使われることが多い。
🧠 Aの分析①:肩書きは“判断の外注先”
人が肩書きを先に出すとき、無意識にこう考えている。
- 自分で判断したと思われたくない
- 間違えたときに責められたくない
- 「その人が言ってた」で逃げ道を作りたい

肩書きを出す=判断を“人”に委ねている状態です。

責任も一緒に預けてるわけだ。
📘 観測ログ:不安が強い人ほど、判断の根拠を“外部の権威”に求めやすい
🧩 なぜ“それ、いる?”修飾語が増えるのか
「京大卒」
「元大手」
「専門家が言ってた」
これらは、本来なら 補足情報 にすぎない。
しかしCの場合、それが 主語の位置 に来ている。

内容を語る前に、まず“正当性”を置いています。

話の順番が逆なんだ。
これは——
内容そのものに自信がないサイン でもある。
⚠️ 聞き手に発生する“認知的ノイズ”
肩書きが多い会話は、聞き手にこういう負荷をかける。
- 「で、何の話?」と考え直す
- 本質を探す作業が増える
- 判断が後ろ倒しになる

情報が増えてるのに、理解は進んでない。

はい。肩書きは“ノイズ”になりやすい。
📘 観測ログ:権威情報が多い会話ほど、要点把握に時間がかかる
🔄 背景を理解しても、イラつきが消えない理由
観測日記#12でDは、Cの過去を知っている。
- 不安定な家庭環境
- 権威的な父親
- 捨てられた経験
この背景を知ると、「自分の言葉が信用されなかった人」という仮説は立つ。

Cさんは“自分の言葉だけでは足りない”と感じている可能性があります。

だから肩書きで補強するんだね。
——だが。
理解できても、イラつきは消えない。
それは、毎回“判断の前段”を強いられるから。
⚖️ 理解と許容は別の話
ここが重要なポイント。
- 相手の背景を理解する
- 相手の行動を許容する
この2つは、同義ではない。

背景を理解しても、雑な伝達で疲れる事実は変わりません。

分かってあげてる分、消耗することもあるよね。
あなたのイラつきは、共感力が低いからではない。
むしろ——
構造的な違和感を正確に感じ取っている証拠 だ。
🧭 巻き込まれないための観測的対応
感情的に突っ込むと、防御反応が強まるだけ。
観測者Aが勧めるのは、次の3つ。
① 肩書きを“中身に変換して返す”
「京大卒の方が入ります」
→「その方は、どの業務を担当しますか?」
② 判断基準を言語化する
「労務士に確認しました」
→「その結果、何がOKで何がNGですか?」
③ イラつきを“構造”に戻す
「この人は不安から権威を使っている」と理解する。

イラつきを構造に戻すと、巻き込まれにくくなります。

感情を“外に出さない”技術だね。
🪞 まとめ:肩書きは安心の代用品、聞き手にはノイズ
肩書きを多用する人は、
- 自分の言葉に不安がある
- 判断の責任を外に出したい
- 正しさを“借りたい”
一方、聞き手は、
- 中身にたどり着くまで待たされ
- 判断が遅れ
- 認知的に疲れる

肩書きが増えるほど、会話の速度は落ちます。

そして、聞く側のイラッは溜まる。
あなたの苛立ちは、会話の非効率さに対する健全な反応 だ。
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