🧪 今日の解説テーマ:横文字は“理解”のためではなく“安心”のために使われることがある
「リザルトは?」
「ここ、リザルトです」
「この案件のリザルトをまとめて」
——意味は分かる。
でも、なぜか ずっとモヤッとする。
観測日記#11で登場した上司Cの「リザルト連呼」は、単なる言葉のクセではない。
そこには 不安・権威・言語の曖昧さ が絡み合った、非常に“人間らしい心理”がある。
💬 横文字を使う人=意識高い、ではない
まず前提として整理しておく。
横文字を使うこと自体は、悪ではない。
専門用語や共通語として必要な場面も多い。
問題になるのは、次のケースだ。
- 意味を正確に理解していない
- 英語表記は避ける
- 日本語にも言い換えられる
- でも“横文字っぽさ”だけは死守する
このとき横文字は、情報伝達ではなく自己演出 に変わる。

Cさんは“結果”が欲しいんじゃない。“それっぽい立場”が欲しいんです。

言葉が肩書き代わりになってる感じだね。
🧠 Aの分析①:カタカナ語は「権威の借り物」
心理学的に見ると、これは 言語的権威借用 と呼べる状態。
人は不安を感じると、
- 強そうな言葉
- 難しそうな言葉
- 外国語
- 専門っぽい音
に頼りやすくなる。
理由は単純だ。
👉 中身を説明しなくても、“分かってる感”が出るから。

横文字は、説明責任を先送りにできる便利な鎧なんです。

防御力は高いけど、通気性ゼロ。
📘 観測ログ:自信が揺らぐほど、言語は抽象化・装飾化しやすい
🧩 なぜ「result」とは書かないのか?
ここが、あなたがイラつく一番の核心。
- 英語ができないから?
→ 半分正解。 - でも、それだけではない。
英語で result と書くと、
- 正確さが要求される
- 意味が固定される
- ツッコミどころが生まれる
一方、
「リザルト」は——
- 音だけ
- 雰囲気だけ
- 解釈は受け手任せ

Cさんは“意味が確定すること”を無意識に避けている可能性があります。

曖昧な言葉って、責任が滑るんだよね。
⚠️ 部下が感じる“言語ストレス”の正体
部下Dが感じている苛立ちは、単なる語彙の問題ではない。
それは 認知的コストの押し付け だ。
- 「リザルト」=何を出せばいい?
- 数値?報告?成果?
- どこまで?いつの?
曖昧な言葉は、考える負担をすべて下に投げる。

それ、毎回“翻訳作業”発生してるよね。

はい。しかも評価は上から下へ。
📘 観測ログ:曖昧な指示ほど、現場の疲労度は上がる
🔄 なぜ本人は気づかないのか?
横文字連呼型の人は、自分が“分かりづらくしている”自覚がない。
なぜなら——
- 自分は言った気になっている
- 雰囲気で通じた経験がある
- 指摘されない=問題ないと思っている
沈黙と忖度が、この言語習慣を強化してしまう。

通じているのではなく、周囲が補完しているだけなんです。

優しさが甘やかしに変わる瞬間。
🧭 巻き込まれないための観測的対処
感情的に訂正すると、たいてい面倒なことになる。
観測者Aが勧めるのは、この3つ。
① 言葉を“具体化して返す”
「リザルトですね」
→「今回は売上数値と改善点をまとめますね」
② 日本語に静かに変換する
相手を否定せず、意味だけを明確にする。
③ イラつきは“観測ログ”に変換する
感情を飲み込まず、「これは不安由来だな」と言語化する。

イラつきは、観測できた瞬間に知性になります。

感情をネタにできたら勝ち。
🪞 まとめ:「リザルト」は成果ではなく“不安の合図”
上司Cが連呼する「リザルト」は、
- 成果を求める言葉ではなく
- 責任をぼかす音であり
- 不安を和らげるための記号
あなたがイラつくのは正常だ。
それは、雑な言葉の運用による負担をあなたが肩代わりしているから。

正確な言葉を避ける人ほど、不安を抱えています。

だから音に逃げるんだね。
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