【解説記事#5】人の話を奪う人の心理学|なぜ共感より“自分の話”で安心するのか?

今日のテーマ:なぜ“話を奪う人”ほど悪気がないのか?

「話してる途中で“それ私も!”って割り込まれる」

「共感してほしいだけなのに、気づけば相手の体験談になってる」

――こういう会話、よくありますよね。

実は「話を奪う人」は自己中ではなく、“安心したい脳”の持ち主

今回はその心理構造を、共感脳と自己参照思考の観点から解説します。

💬 話を奪う人の正体は「安心中毒脳」

① 共感ではなく“同調”で安心したい

「私もそれあった!」という反応は、共感ではなく“同調反応”。

人の話に自分を重ねることで、「自分は大丈夫」「孤立してない」と安心します。

つまり、会話を奪ってるようで、実は自分を守ってる

心理学ではこの現象を「自己同一化的共感」と呼びます。

相手の話を聞くより、“自分の中の類似体験”を再生して心を落ち着かせるんですね。

② 聞くより話す方が“脳の報酬”が強い

スタンフォード大学の研究では、自分の話をすると脳の快楽中枢(側坐核)が活性化することがわかっています。

だから話を奪う人は、無意識のうちに「話すことでストレス解消」している。

つまり――悪気なし。快感駆動型の行動なんです。

🧠 なぜ「奪われた側」がイラッとするのか?

① 共感の目的がすれ違っている

聞いてほしい人は“感情共有”が目的。

話を奪う人は“自己安定”が目的。

両者の目的がずれているため、イラッとが生じます。

A:「こっちは『つらかったね』を求めてるのに、
 『私なんかもっと大変だった』が返ってくる。」
B:「そう、それ“共感じゃなくて自分慰め”。」

② 相手の話を聞く“余裕”がない

人の話を奪う人ほど、内面にストレスを抱えています。

心理的余白が少ないと、相手の話が「刺激」になり、それを上書きして“処理”しようとするのです。

つまり――奪うのは防衛反応

聞けないのではなく、「聞いたら崩れる」状態なんです。

🧩 話を奪う人の3タイプ分類

タイプ特徴会話中の行動
安心追求型「私も!」で自分を落ち着かせる共感っぽく話を奪う
主張癖型自分の価値を確認したい話題を競う・マウント気味
承認飢餓型聞いてもらうことが生きがい相手の話を“踏み台”に自分語り

B:「つまり“話を奪う人”って、全員が敵じゃないのね。」
A:「むしろ“心が疲れてるサイン”かもしれません。」

🧭 話を奪う人に疲れないための心理スキル

① “話を奪われても観察モード”で見る

「お、この人いま安心スイッチ入ったな」と思うだけで、イラッとが半減します。

怒る代わりに“観測”する――これが観察者A式対処法。

② “返報共感”で奪われた主導権を取り戻す

相手が話を奪ったら、軽く「そうなんだ、それで?」と質問で返す。

この返報共感で、会話の主導権が戻り、関係が安定します。

コントロールではなく、“関心の方向を戻す”イメージです。

🌈 まとめ|「話を奪う人」は共感迷子

  • 奪う=安心したいサイン
  • 聞けないのは悪意でなく、余裕のなさ
  • 返報共感と観測モードでストレス軽減

会話を奪う人に出会ったら、ムッとするより“観察”しよう。

その人の中では、いま心の防衛戦が起きているだけ。

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